岐阜県養老町に2025年7月にオープンしたハンバーグ専門店「299(にくきゅう)」は、精肉業を営む家族の強みを生かした人気店である。店主の伊東杏奈さんは「自分の家のお肉でハンバーグを提供したい」という思いから開業し、現在はランチ時に満席となる行列店となっている。最大の特徴は、父で精肉のプロである國治さんが仕入れる最高級A5ランクの飛騨牛を使用しながら、ランチセットを1000円という手頃な価格で提供している点にある。
使用されるのは「カッパ」と呼ばれる希少部位で、赤身の旨みと脂の甘みのバランスが良く、ハンバーグに適した肉質を持つ。調理はパートナーの祐基さんが担当し、塩コショウやナツメグを控えめに使うことで肉本来の味を引き立てている。さらに、玉ねぎや卵などを加え、脂が溶けないよう手早く混ぜるなど丁寧に仕込み、焼き方にも工夫を凝らす。表面を焼いて肉汁を閉じ込めた後、じっくり火を通すことで、外は香ばしく中はジューシーな仕上がりとなる。完成したハンバーグは肉汁があふれ、さっぱりと食べやすいのが特徴で、「炙りチーズ」や「和風」などのメニューやトッピングも好評だ。
店は開店と同時に満席となり、母の富士子さんも接客を担当するなど、家族で店を支えている。客からは「肉汁がすごい」「この価格は安い」と高評価を得ており、味とコストパフォーマンスの高さが人気の理由となっている。
養老町は焼肉店が立ち並ぶ“焼肉街道”として知られるが、杏奈さんはあえて競合の少ないハンバーグ専門店として挑戦した。当初は試行錯誤が続いたものの、父の助言で肉の配合を見直し、現在の味を完成させた。地域の人が気軽に利用できる店を目指すとともに、町外からの来客を呼び込むことで地域活性化にもつなげたいという思いがある。
この店は、父の目利き、娘とパートナーの調理、母の支えという家族の連携によって成り立っている。高品質な飛騨牛と工夫を重ねた調理、そして温かいチームワークが融合し、“肉の町”養老に新たな名物としてのハンバーグを生み出している。
岐阜県養老郡養老町三神町431-13
営業時間⏰11:00〜15:00(14:30 LO)
定休日🌱月曜日・木曜日(その他不定休あり)
支払方法💲現金・PayPay









