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愛媛県今治市にある人気店「白楽天 今治本店」は、ご当地B級グルメ「焼豚玉子飯」の元祖として知られる名店である。1970年の創業当時、賄い飯として提供されていた料理を改良し、正式なメニューとして世に広めたのがこの店だ。しまなみ海道を渡った先、今治駅からもほど近い場所にあり、現在では全国から多くの人が訪れる“聖地”的存在となっている。

老舗の個人店らしい佇まいを想像しがちだが、実際の店舗は76席を備えた広々としたモダンな空間で、卓上チャイムや各種調味料も整い、一人でもグループでも快適に過ごせる環境が整っている。注文したのはもちろん看板メニューの「焼豚玉子飯(950円)」。注文からわずか5分ほどで提供されるスピード感も魅力の一つだ。

運ばれてきた丼は、見る者の食欲を一瞬で刺激する迫力あるビジュアル。白米の上には部位の異なる薄切りの焼豚がたっぷりと敷き詰められ、その上に半熟を超えた、とろとろの目玉焼きが2つ乗せられている。さらに、うなぎの蒲焼きを思わせる甘辛くコクのある特製ダレがかけられ、仕上げに胡椒がしっかり効かされている。

まずは黄身を崩し、焼豚とご飯に絡めて一口頬張ると、甘辛いタレの力強い旨味と卵のまろやかさが一体となり、非常にパンチのある味わいが広がる。決して上品とは言えないが、その分だけ直感的で中毒性の高い美味しさがあり、まさにB級グルメの王道といえる。焼豚は薄切りでしっとりと柔らかく、胡椒のアクセントが食欲をさらにかき立て、箸が止まらなくなる。

食べ進めるうちに、店おすすめの「辛口になるソース」を加えることで味の変化も楽しめる。ピリッとした辛味が加わることで、甘めのタレの旨味がより引き立ち、最後まで飽きずに食べられるのも魅力だ。こうした自由なカスタマイズができる点は、もともと賄い飯として生まれた料理ならではの楽しさといえる。

ボリューム満点ながら、そのジャンキーで中毒性のある味わいに引き込まれ、あっという間に完食してしまう一杯。「焼豚・卵・ご飯」というシンプルな組み合わせをここまで完成度の高い料理へと昇華させた先代の功績は大きい。食後には満腹感とともに心地よい満足感が残り、その余韻を噛み締めるひとときは格別である。焼豚玉子飯は、まさに地域に根ざしたソウルフードであり、多くの人々を魅了し続ける理由がそこにある。

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