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沖縄北部・やんばる地域の豊かな自然を舞台に、体験型アクティビティを提供する「沖縄どきどきツアーズ」は、「楽しみながら自然を学ぶ」をコンセプトに掲げ、バギー体験やジップラインなどを展開している。

目玉となるのは、90ccの小型四輪バギーを自ら運転し、山中のコースを走行する「ジャングルバギー」だ。コースはあえて整備しすぎず、自然の起伏やぬかるみを生かしたオフロード仕様とすることで、訪れた人がやんばる本来の自然を肌で感じられるよう工夫されている。また、途中にはバギーを降りて森の中を歩くポイントも設けられており、季節ごとに変化する植物や花を観察できる。こうした構成により、単なるスリル体験にとどまらず、自然学習の要素も兼ね備えたプログラムとなっている。

運営を担う中原優一マネジャーによれば、オープン当初は集客面で不安もあったものの、実際には閑散期を感じさせないほど安定した来客があり、順調な滑り出しを見せているという。利用者の約6割は県外からの観光客で、2割は県内客、さらに海外からの旅行者も訪れている。背景には、やんばるが世界自然遺産に登録されたことによる認知度向上や、コロナ禍後の観光需要の回復があり、自然体験型アクティビティへの関心の高まりがうかがえる。

今後は地域との連携も強化する方針で、中山エリアがゴーヤの産地であることを生かし、地元農家と協力した農業見学などのオプションツアーの実施も検討している。観光と地域資源を結びつけることで、やんばるの魅力をより多角的に発信し、地域全体の活性化につなげていく考えだ。営業時間は9時から18時までで、ジャングルバギーは1時間7,000円。(2026年5月現在)1日10回開催される。雨天でも実施されるため、天候に左右されにくい点も特徴となっている。受付は沖縄フルーツランドの駐車場で行われる。

一方で、実際の体験談からは、このアクティビティの魅力がより具体的に伝わってくる。離島観光を予定していた旅行者が、悪天候で船が欠航したため代替として参加したバギーツアーは、結果的に旅のハイライトともいえる体験となった。海ではなく陸で楽しむアクティビティでありながら、エンジン音を響かせて森の中を駆け抜ける爽快感とスリルは、マリンスポーツとはまた違った魅力を持っている。

体験は、ヘルメットやレインコート、長靴を着用してバギーに乗り込み、エンジンを始動するところから始まる。アクセル操作に最初は戸惑いながらも、徐々に感覚をつかみ、力強い加速と振動に包まれる走行の楽しさを実感していく。会場となる名護市の施設「どきどきヤンバルンチャー」は、約5万平方メートルの広大な敷地を誇り、モトクロス仕様のコースには起伏やカーブが豊富に設けられている。特に雨天時はぬかるみが増し、泥を浴びながら進む本格的なオフロード体験が味わえる。

ツアーではインストラクターによる丁寧な指導が行われ、初心者でも安心して参加できるよう配慮されている。練習場で基本操作や旋回のコツを学んだ後、参加者は一列になってコースへと出発。見た目以上のスピード感と激しいアップダウンに翻弄されながらも、次第に操作に慣れ、走行そのものを楽しむ余裕が生まれていく。

途中にはバギーを降りて森を散策する時間も設けられており、亜熱帯特有の植物が生い茂るやんばるの自然を間近に観察できる。恐竜時代から存在するとされる木生シダ「ヒカゲヘゴ」など、沖縄以南でしか見られない貴重な植物に触れることで、緊張感がほぐれると同時に自然への理解も深まる。再びバギーに乗っての帰路では、余裕をもって景色や走行を楽しむことができ、笑顔でゴールを迎える参加者も多い。

このように、バギーツアーはスリルと学びを兼ね備えた体験として高い満足度を誇り、従来は悪天候時の代替とされていた位置づけから、今では目的そのものとして訪れる観光客も増えている。やんばるの森を舞台にしたこのアクティビティは、「ドキドキ」と「ワクワク」を同時に味わえる貴重な体験として、多くの人々を魅了し続けている。

 

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