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今回は、栃木県北で食べられている「ひやし」と呼ばれるそばを求めて、西那須野の「かどや」へ向かった。名前だけ聞くと冷たいそばを想像しがちだが、実際は茹でたそばを冷水で締め、そのそばを温かいつゆに浸して食べるのが特徴だ。つゆは店によって冷たい場合もあるようだが、ここでは熱いつゆで味わう形だった。自分にとっては子どもの頃から家で食べ慣れていた食べ方でもあり、むしろ懐かしさすら覚えた。

店はJR西那須野駅の近く、洒落たテナントビルの1階にある。だが、ただの新しい店というわけではなく、もともとは別の場所で営業していて、道路拡張に伴って今の場所へ移ってきた老舗だという。平日にもかかわらず、開店前から5~6人が並び、11時の開店と同時に客がどんどん入って、あっという間に満席になった。評判は聞いていたが、実際に来てみると人気の高さがよく分かった。

ここで頼んだのは、名物と書かれていたひやしたぬきそばの大盛だ。普通のそばより100円増しで量を増やせるので、大盛を選んだが、さらに中盛、特盛まである。周りを見ていると、特盛はかなりの迫力で、そばが小さな山のように盛られていた。さすがにそこまでは食べ切れないかもしれないと思いつつも、店の勢いに押されるような形で頼んでしまった。

まずはそばだけをつまみ、つゆにつけずにそのまま口へ運んだ。太めの麺はむっちりとしていて、噛むほどに力強い弾力がある。この時期なので、香りが際立つというよりは、豪快にワシワシ食べるのに向いたタイプだと感じた。繊細な細打ちよりも、こうしたひやしそばには、むしろこれくらいの太さが似合うのだろう。

たぬきそばのつゆには天かすが浮いているが、そこに白菜が入っていたのが印象的だった。こうしたそばでは初めて見る組み合わせで、最初は少し驚いたものの、白菜のやわらかな甘みがつゆに合っていた。さらに、箸休めのように添えられていたもやしも珍しい。これがピリ辛で、箸が進む。薬味らしき大根おろしもついていて、これを加えるとつゆ全体が引き締まる。単に変わっているだけでなく、ちゃんと理にかなった構成になっているのが面白い。そば湯までしっかりいただき、最後まで満足感のある一食になった。

今回食べた冷やしたぬきそばは、見た目も味も普通の「ぶっかけ」とは違い、栃木県北らしい個性がしっかり出ていた。太い田舎そばに、熱いつゆ、白菜やもやし、大根おろしという組み合わせが面白く、しかもちゃんと旨い。次は、まだ食べていない冷やしかき揚げを特盛で試してみたくなった。ごちそうさまでした。

 

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